子どもを信じるということ

不登校克服カウンセリング京都の奥野です。

この記事では、

「子どものことが心配で、つい先回りして自分がやってしまう」
「あの子は不器用だから、私が見ていてあげないとだめなんです」
「不登校になってしまったこの子を、私がなんとかして回復させないと…」

こんなお悩みにお答えします。
当記事を読めば「子どもを信じることで得られる2つのこと」がわかります。

 

① いつも子どものことが心配で…

「あの子、ちゃんと勉強ついていけているかな…」
「友達と上手くやれているだろうか」
「また嫌いな給食、残したりしていないかしら…」

 

仕事で会議の資料をコピーしている時、
スーパーのレジでお会計をしている時、

ふと、我が子のことを思い出して心配になることはありませんか?

 

会議中に突然、学校から電話がかかってきて、
「病気?ケガ?トラブル?」
など、とっさに緊張してしまう方もいらっしゃると思います。

僕は小学校教師をしていたので、
休み時間や放課後に、よく親御さんに電話をかけたり、
逆にお電話をいただいて

「うちの子、学校でどんな様子ですか?」

と聞かれる方をたくさん見てきました。

 

学校にいる間は、親御さんの目の届く範囲にお子さんがいません。
大切に思うお子さんの様子を心配に思う気持ち、よくわかるつもりです。

僕には1歳になったばかりの娘がいますが、
きっと幼稚園や学校に行く年になると、それは心配するだろうなあと思います。

 

ここでは
「親御さんが子どもを心配に思う気持ち」
について、お話していきたいと思います。

 

心配事は無限にある

僕がこれまで、親御さんから受けた相談ごととして多かったのが

・勉強にちゃんとついていけているか不安
・他の子たちと上手くやれているか心配
・進路のことを思うともっと習い事をさせるべきかどうか
・他の子(または先生)と上手くいってない様子で心配だ

 

など、ご家庭によって様々です。

 

今は、お子さんが小さいご家庭でも、

中学生・高校生になると「進路・受験」の心配
大学生になると「就職活動」の心配
になると「子どもができるかどうか」の心配

 

など、心配事はこれからもずっと続きます。

 

お子さんが困っている時、
親として、「何とかしてあげなければ」と思う気持ちはとても理解できます。

 

しかし残念ながら、
「親の私がなんとかする」によって解決できないことが存在します。

さらには「親の私が何とかする」によって
お子さんが困ってしまうケースが存在するのです。

★①まとめ
・親の子どもへの心配は尽きることがない
・「親である私がなんとかしないと…」ではダメなケースがある

 

② 「親の私がなんとかする」で解決できないこと

 

お子さんのことを心配するあまり、
親御さん自身が、お子さんを「おいてけぼり」にしてしまうこともあります。

 

ここでは、僕がカウンセラーとして相談にのった中で、
印象的だったエピソードを紹介します。

 

中学2年生のA君の話

ある日、A君のお母さんからこんなご相談がありました。

「中学生の息子が不登校で困っています。

世間体もありますし、将来が不安で、早く学校に行って欲しいと思います。

学校や教育委員会に私から話したので、学校に行きやすい環境は私が作りました。

あとは、息子が行くだけです。
息子を変えて下さい。」

 

僕はこのお話を聞いた時、正直、
「これは時間がかかるな…」と感じました。

なぜだかわかりますか?

 

A君のお母さんは、A君を心配に思うあまり、
「A君自身の気持ち」を置き去りにしてしまっているのです。

 

多くの場合、子どもは「学校に行きたい」と思っています。
「行かなきゃならない」と思い苦しんでいます。

 

母さんやお父さんの笑顔が見たい!
愛されたい!認められたい!期待に応えたい! と願っています。

そして、それができていない自分を責めてしまっているのです。

実際にA君本人から話を聞くと、

「本当は学校に行かないと…って思っている。
でも、お母さんの悲しむ顔が見たくなくて、
行くのが辛いって気持ちを伝えられない。」

 

そんな風に打ち明けてくれました。

お子さんはあなたに悲しい顔をされたい訳ではありません。
あなたに困って欲しくなんかないんです。
世間体を気にするのではなく、今の自分を見てほしいのです。
あなたに心配されたくもありません。
不安になんてなってもらいたくないのです。

 

“「学校や教育委員会には私から話したので
学校に行きやすい環境は私が作りました。」“

それはお子さんが望まれたことですか?

お子さんのためって、
お子さんは本当に
あなたにそんなことをしてもらいたかったのでしょうか?

話はしましたか?
本音でちゃんと向き合いましたか?

 

「たくさんの友達からいじめられている。」
「先生も助けてくれない。」
など、状況によっては
親御さんが学校や教育委員会に行かないといけない時が
あるかもしれません。

 

教育委員会に話がいくと
環境を整えるために学校全体で迅速に対応します。
僕は小学校教諭をしていたので、その辺りの学校事情は見てきました。

 

でも、果たしてそれが
本当に子どものためなんでしょうか?

 

このようにお話しした後、
この方は自分の考え方を変えて、子どもと真剣に向き合いました。

そして子どもを信じてあげることで
A君は学校に行けるようになりました。

 

このエピソードは多くの中の一つの例に過ぎませんが、
実際に「お子さんの気持ちがおいてけぼりにされてしまっている」
ケースは多数存在します。

では、「親である私が何とかする」によって
お子さんが困ってしまうこととは一体何なのでしょうか?

 

子どもの壁は子どものもの

お子さんが困ってしまうこと、それは、
「自分で壁を壊すチャンスを失ってしまう」ということです。

 

「学校に行けない。」という壁が、お子さんの目の前にあるとします。

その壁を取り除いてあげることは、本当の愛情ではありません。

 

あなたのおかげでその壁がなくなり、お子さんは前へ進んでいけるかもしれません。

しかし、これからの人生で
同じような壁は、また必ずやってきます。

その時に、
お子さんは自分の力で、その壁を乗り越えることができるでしょうか?

 

もしかすると以前と同じように、
あなたに助けてもらえると思い、行動できなくなるかもしれません。

あなたがお子さんの目の前の壁を取り除くことを繰り返していると
自分で乗り越えることができない人間になってしまいます

お子さんが社会人になって、また問題に立ち塞がった時、
あなたが本社に連絡するのですか?

お子さんが40歳になった時も、
あなたはそんなことを続けていくのでしょうか?

 

あなたのお子さんは、
自分の頭で考えることができます。

それが例え間違っていても、
自分で考えたことをやらせてあげてください。

上手くいかなったという経験を、体験させてあげて下さい。

 

目の前の壁を取り除くのが愛情ではありません。
どんな壁であろうと
その目の前の壁を乗り越えられる人間に育てることが本当の愛情です。

子どもから思考を奪わないであげて下さい。

 

あなただったら大丈夫!
絶対できるよ!
もっと子どもを信じてあげて下さい。

それが子どもを信じる。
ということです。

★②まとめ
・お子さんの気持ちを「おいてけぼり」にしてしまうケースがある
・子どもは親に「今のそのままの自分」を認めてほしいと思っている
・子どもの壁は子どものもの。子どもが壊して超えていくことが大切

 

③ 「子どもを信じる」ことで得られる2つのこと

子どもを信じることで得られること
それは

【転んでも、また起き上がって進んでいく力】と
【自らチャレンジしていく力】です。

 

「失敗して子どもに辛い思いをさせたくない。」
そのお気持ちはとても分かります。

でも、それでも、
「転んでも、また起き上がって進んでいく力」は
失敗することでしか育たないのです。

 

最初から上手に自転車に乗れる人はいません。
初めは誰もが擦り傷を作りながら、いつの間にか乗れるようになっていくものです。

 

そして、たとえ失敗したとしても、
失敗した自分でも、認めてもらえる。愛される。
とお子さんが実感することで、

子どもは「自らチャレンジしていく力」を身につけることができるのです。

 

この2つの力があって初めて、
お子さんが「壁を壊して自ら進んでいく」ということが
できるようになるのです。

 

子どもを信じる

では、「子どもを信じる」ということは、つまりどういうことか?
とても簡単なことです。

 

それは、あなたが
「お子さんを変えようとしないこと」

 

お子さんをあなたの思い通りに変えることはできません。

今、お子さんが自信を失ってしまっているとしたら、
それはあなた自身が、
「お子さんのことを信じられていないから」かもしれません。

 

「自分のことを信じてもらえていない」と感じると、
お子さんは自分自身のことも信じられなくなってしまいます。

親であるあなたができること

お子さんのために、あなたにしかできないことが1つあります。

それは「お子さん自身よりも、お子さんのことを信じてあげること」です。

・失敗しても、あの子なら自分で考えて行動できる
・失敗しても、どんなあの子だって価値がある

その思いや姿勢は、お子さんにちゃんと伝わります。

あなたが見本になって、お子さんを信じることで
お子さんに勇気を与えることができます。

 

子どもの芽を摘んではいけない

お子さんのやることに何か口を出したくなっても、
まずはぐっと我慢して、子どもを信じて任せてみる。

子どもが失敗したときに、
その失敗に意味をもたせ、気づきを与えられるのが親御さんの役目です。

 

子育ては子ども成長の芽を摘まないことです。
子どもを信じること。
それが何より大切だと僕は思います。

★③まとめ
・子どもを信じて得られるのは
  【起き上がって進んでいく力】と【またチャレンジしていく力】
・失敗したときに親御さんがどうフォローするかが大切
・まずは親であるあなたが子どもを信じてあげること

 

④ 子供を信じるためにできること

「そうは言っても、つい口出ししてしまって…」
「子どものできていないところばかり目についてしまいます」

と思われる方も多いと思います。

人間は無意識でいると、
どうしても「欠けたもの・足りないもの」に意識がいってしまう
という脳の性質があるため、
そう考えてしまうことは、ごく自然なことなのです。

 

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まずは小さな一歩から、踏み出してみませんか?

 

★この記事のまとめ

・親の子どもへの心配は尽きることがない
・「親である私がなんとかしないと…」ではダメなケースがある
・お子さんの気持ちを「おいてけぼり」にしてしまうケースがある
・子どもは親に「そのままの自分」を認めてほしいと思っている
子どもの壁は子どものもの 子どもが壊して超えていくことが大切
・子どもを信じて得られるのは
【起き上がって進んでいく力】【またチャレンジしていく力】
・失敗したときに親御さんがどうフォローするかが大切
・まずは親であるあなたが子どもを信じてあげること
・一人で変わるのが大変だと感じたときは、セミナーに参加してみよう

 

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